会長挨拶

第62回日本リウマチ学会総会・学術集会、会長:齋藤 知行(横浜市立大学大学院医学研究科運動器病態学 教授)

第62回日本リウマチ学会総会・学術集会
会長 齋藤 知行
横浜市立大学大学院医学研究科運動器病態学 教授

第62回日本リウマチ学会総会・学術集会を2018年4月26日から28日の3日間にわたり、東京国際フォーラムで開催いたします。東京国際フォーラムでの開催は1998年に柏崎禎夫会長の第42回以来、20年ぶりとなります。伝統ある本学会の会長を今回、東京で務めさせていただくことを大変光栄に存じます。

この20年間に、メトトレキセートが1999年に、2003年には生物学的製剤が関節リウマチの治療に使われるようになり、リウマチ治療は劇的な変化を遂げました。関節リウマチや種々の膠原病等の領域では新たな診断法、治療法、様々なガイドライン等が導入され、各分野で診断と治療体系が具体的となり標準化されつつあります。特に関節リウマチ領域での分類基準の改変や各種の抗リウマチ薬や生物学的製剤の導入による薬物治療の変化により、寛解が治療目標となる時代となりました。

一方で、最新の分子生物学や免疫学をもってしても、疾患病態の根源が究明されたわけではなく、いまだに根本的な治療が確立されていないことも事実であります。また新たな治療法の問題点や副作用、医療費の増大、人口の高齢化に伴う患者層の変化等、リウマチ学に携わる者が迅速に取り組まなければならない諸問題や包括的な治療の取り組みも提起されつつあります。さらに欧米から発信される情報ばかりでなく、日本人におけるエビデンスの構築や日本と欧米との差異の確認など、日本リウマチ学会がなすべき課題は山積していると考えます。また、この10数年間で医療を取り巻く環境も大きく変わりました。特にIT(information technology)の発達は短時間に多くの情報が収集できるようになりましたが、このような時代であるからこそ、膨大な情報を取捨選択する独自の視座を養う必要があると考えます。

学際的な本学術集会の意義は、リウマチ疾患を包括的に考える機会を提供することであり、他の国々では類を見ないほどの科学的データが集積する場と思います。IT技術を活用し、有用な情報を社会全体に積極的に発信し、世界の研究者、臨床家とのより密接な関係を構築していくことが日本リウマチ学会のグローバル化のために重要と考えております。

東京は2020年のオリンピック開催に向かってまさにこれから活気があふれてくる時期に当たります。この貴重な時期に東京で学会を開催する意義を十分に踏まえて、様々な知見を世界に発信できる学会となるように努力したいと思います。特に次世代を担う若手の先生方の積極的な参加とともに、今まで日本リウマチ学会を導いてこられた諸先生方にも、これから学会が歩んでいく道標となるような発表をお願いしたいと考えています。

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